モーパン嬢〈上〉 (文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
画家であり詩人である青年ダルベールを虜にした騎士テオドールの正体は?精妙巧緻にからみあう熱烈な二重の愛の物語は、破格の小説技法と華麗な描写で世間の意表をついた。「序文」は若きゴーチエがロマン派の宿敵に投じた芸術至上主義宣言として名高い。
海に住む少女 (文庫)
出版社/著者からの内容紹介
■海に浮かぶ不思議な町の少女……透きとおっていく、遥かな物語集
「フランス版・宮沢賢治」ともいえる、幻想的な詩人・小説家の、短編ベスト・コレクション。悲しみでも苦しみでもない、切ない気持ちで胸がいっぱいになり、涙がこぼれそうになる。(訳者)
内容(「BOOK」データベースより)
「海に住む少女」の大海原に浮かんでは消える町。「飼葉桶を囲む牛とロバ」では、イエス誕生に立ち合った牛の、美しい自己犠牲が語られる。不条理な世界のなかで必死に生きるものたちが生み出した、ユニークな短編の数々。時代が変わり、国が違っても、ひとの寂しさは変わらない。
殺人交叉点 (文庫)
出版社/著者からの内容紹介
十年前に起きた二重殺人は、単純な事件だったと誰もが信じていました。殺人犯となったボブを熱愛していたルユール夫人でさえ、何も疑わなかったのです。しかし、真犯人は、私なのです。時効寸前に明らかになる驚愕の真相。’72年の本改稿版でフランス・ミステリ批評家賞を受賞した表題作に、ブラックで奇妙な味わいの「連鎖反応」を併録。
内容(「BOOK」データベースより)
十年前に起きた二重殺人事件は、きわめて単純な事件だったと誰もが信じていました。殺人犯となったボブをあれほど愛していたユール夫人でさえ疑うことがなかったのです。しかし、真犯人は私なのです。時効寸前に明らかになる驚愕の真相。’72年の本改稿版でフランス・ミステリ批評家賞を受賞した表題作にブラックで奇妙な味わいの「連鎖反応」を併録。ミステリ・ファン必読の書。
年を歴た鰐の話 (単行本)
内容(「BOOK」データベースより)
昭和17年初版の作品が、昭和二十二年の再版を底本として新たにふりがなを加えて遂に復刊。
内容(「MARC」データベースより)
名コラムニスト山本夏彦の若き日の翻訳を一周忌を前に再刊。表題作のほか、「のこぎり鮫とトンカチざめ」「なめくぢ犬と天文学者」の全3作品を収める。桜井書店から刊行された昭和22年版を底本とする。
どちらでもいい (単行本)
内容(「BOOK」データベースより)
夫が死に至るまでの、信じられないような顛末を語る妻の姿が滑稽な「斧」。廃駅にて、もはや来ることのない列車を待ち続ける老人の物語「北部行きの列車」。まだ見ぬ家族から、初めて手紙をもらった孤児の落胆を描く「郵便受け」。見知らぬ女と会う約束をした男が待ち合わせ場所で経験する悲劇「間違い電話」。さらには、まるで著者自身の無関心を表わすかのような表題作「どちらでもいい」など、アゴタ・クリストフが長年にわたって書きためた全25篇を収録。祖国を離れ、“敵語”で物語を紡ぐ著者の喪失と絶望が色濃く刻まれた異色の短篇集。
内容(「MARC」データベースより)
夫が死に至るまでの信じられないような顛末を語る妻の姿が滑稽な「斧」、著者自身の無関心を表わすかのような表題作など、全25篇を収録。祖国を離れ「敵語」で物語を紡ぐ著者の喪失と絶望が色濃く刻まれた異色の短篇集。
アモス・ダラゴン〈5〉エル・バブの塔 (単行本)
出版社 / 著者からの内容紹介
はるか南の地、おごれる神エンキが、の建設を始めた…。塔にとらわれたアモスの母を救うため、仲間たちはヴォルフ川をさかのぼる。旅で出会うのは奇妙な父親と五つ子、勇敢な女村長、塩の国の?灰色の人"。彼らはいったい何をもたらすのか…?ついに第4の仮面も登場!機知と勇気と友情の大冒険ファンタジー!!
内容(「BOOK」データベースより)
はるか南の地、おごれる神エンキが、「エル・バブの塔」の建設を始めた…。塔にとらわれたアモスの母を救うため、仲間たちはヴォルフ川をさかのぼる。旅で出会うのは奇妙な父親と五つ子、勇敢な女村長、塩の国の“灰色の人”。彼らはいったい何をもたらすのか…?ついに第4の仮面も登場!機知と勇気と友情の大冒険ファンタジー。
星の王子さま (単行本(ソフトカバー))
出版社/著者からの内容紹介
サハラ砂漠に不時着した孤独な飛行士と,「ほんとうのこと」しか知りたがらない純粋な星の王子さまとのふれあいを描いた永遠の名作.初版本に基づき挿絵を改めた新しいエディション.
内容(「MARC」データベースより)
サハラ砂漠に不時着した飛行士と、ほんとうのことしか知りたがらない星の王子さまとのふれあいを描いた、永遠の名作。91年刊に次ぐ新版。〈ソフトカバー〉
牝猫 (文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
人間どうしさながらに意志をかよわせ睦みあう青年アランと愛猫サア。アランの愛のみを待ちうける新妻カミーユの不満は、やがて「第三者」サアに対するいらだちと嫉妬の心にかわってゆく…。20世紀フランス文壇の女王コレット(1873‐1954)が、一匹の牝猫をはさんだ若い新婚男女の微妙な心理を繊細な感覚でとらえた円熟期の代表作。
失われた時を求めて〈2〉第一篇 スワン家の方へ〈2〉 (文庫)
出版社 / 著者からの内容紹介
人生の深淵、官能の極み??世界文学の記念碑。
ある冬の日に紅茶にひたしたマドレーヌとともに、「無意志的記憶」によって蘇る全コンブレー(第一巻)。語り手が生まれる前後に起こったスワンとオデットの恋、その娘への語り手の恋(第二巻)。
内容(「BOOK」データベースより)
語り手が生まれる前後に起こったスワンの恋の物語。ブルジョワ階級のヴェルデュラン夫人のサロンが舞台。スワンは、高級娼婦オデットに関心を持ち、彼女の通うこのサロンにやってくるようになる。やがて二人のあいだに好意が目ざめ、スワンはオデットを通して、恋の喜びや嫉妬を経験する(第一篇第二部)。二人は結婚し、ジルベルトという娘が生まれている。語り手はシャンゼリゼ公園の遊び仲間として彼女を知り、夢中で幼い恋をささげる(第一篇第三部)。
モンテ・クリスト伯〈7〉 (文庫)
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今も昔も復讐鬼の物語が人々の心を惹きつけてやまないのは、それが幸福と安寧に背を向けた人間の究極の姿だからであろう。世界の文学史上最も有名な復讐鬼、モンテ・クリスト伯。19世紀フランスの文豪、デュマが創造したこの人物もまた、目的を果たすごとに、底なしの泥沼へと一歩足を踏み入れていく。
本名、エドモン・ダンテス。マルセイユの前途有望な船乗りだった彼は、知人たちの陰謀から無実の罪で捕えられ、14年間の牢獄生活を送る。脱獄を果たし、莫大な財宝を手に入れたダンテスは、モンテ・クリスト伯と名乗ってパリの社交界に登場し、壮大な復讐劇を開始する…。
文庫本で7冊の大著である。物語に多少「できすぎ」の感もあるが、そんな懸念をすぐに吹き飛ばしてくれるほど波状に富んだ展開で、息をつく暇もなく読み通してしまう。フランス文学の大著といっても、机に向かって姿勢を正して読む、というよりは寝そべりながら読むうちについ夜更かししてしまう、というタイプの作品である。
何と言ってもこの小説の白眉は、伯爵の用意周到かつ執拗な復讐の過程である。着々と目的を遂行していく姿が、心理描写をいっさい排した文体で描かれ、後年のハード・ボイルド文学をも連想させる。
復讐の物語にハッピー・エンドはあり得ない。もしあるとすれば、主人公がどこかで「妥協」を見出す必要があろう。モンテ・クリスト伯が最後にどんな選択をするのかも、読みどころのひとつである。(三木秀則)